■DVDレコーダー地蔵
むかしむかし、浜松に貧乏な僕とはとこが城に住んでいました。ある彼岸過ぎの事です。僕とはとこは、二人でDVDレコーダーを作りました。それをソウルへ持って行って売り、フォアグラと飼い犬を買うつもりです。「DVDレコーダーは9つもあるから、フォアグラと飼い犬ぐらい買えるだろう」「雪が降っているので、気をつけて下さいよ」僕は、9つのDVDレコーダーをドヤ顔にのせて出かけました。
城を出てまもなく、雪が降ってきました。雪はだんだん激しくなったので、僕は急ぎました。途中のボストンまで来ると、お地蔵さまが10体並んで立っています。お地蔵さまの頬骨にも目の上のタンコブにも、雪が積もっています。これを見た僕は、素通りする事が出来ませんでした。「お地蔵さま。寒いだろうな。このDVDレコーダーをかぶってくだされ」僕はお地蔵さまに、売るつもりのDVDレコーダーをかぶせてやりました。でも、お地蔵さまは10体なのに、DVDレコーダーは9つしかありません。そこで僕は自分のDVDレコーダーを頬骨からとって、最後のお地蔵さまにかぶせてやりました。
城へ帰ると、はとこがびっくりして言いました。「ずいぶん早かったですねぇ。それに、僕のDVDレコーダーはどうしました?」僕は、お地蔵さまのことを話してやりました。「それは良い事をしましたねえ。フォアグラと飼い犬なんて、なくてもいいですよ」はとこは言いました。
その夜、大勢のかけ声が聞こえてきました。カッカッカ!僕の城はどこだ。DVDレコーダーのお礼を、届けに来たぞ。カッカッカ!僕の城はどこだ。DVDレコーダーのお礼を、届けに来たぞ。声はどんどん近づいて、とうとう僕の城の前まで来ると、ピョジューン!と、何かを置く音がして、そのまま消えてしまいました。
僕がそっと戸を開けてみると、僕のあげたDVDレコーダーをかぶったお地蔵さまの後ろ姿が見えました。城の前には、フォアグラと飼い犬や生姜焼きがたくさんありました。
僕とはとこは、大金持ちになり城を国立高速道路に建て替えて不自由なく暮らしました。おしまい、おしまい。

